はじめての旗袍(チャイナドレス)オーダー体験記

海外の服飾文化

※この記事は2021年10月に他媒体で書いた記事の改定版です。

こんにちは、宮寺理美です。
先日、2018年頃から中国のSNS、微博を始めてから
ずっとずっとずーっと憧れていた、
旗袍(チャイナドレス)をオーダーする事ができました。
今回は私がオーダーした旗袍のことをご紹介したいと思います。

写真は製作者のatelier lei leiさんからご提供いただきました。

「復古式」旗袍との出会い


微博を始めて、最初にびっくりした事がひとつあります。
それが「セクシーじゃないチャイナドレスが存在する」という事です。
微博には「博主」と呼ばれる投稿者がいます。
日本のインターネット用語に翻訳するなら「Up主」「ツイ主」みたいな感じかな…
旗袍は中国のヴィンテージファッション愛好家に愛されている印象で、
旗袍の着こなしや購入品ばかりを紹介しているKOL(インフルエンサー)も存在します。

でも、微博を始めた当初の私には、もちろんそんな知識はありません。
「セクシーじゃないチャイナドレス」を見たときの衝撃は、
言葉で表現するのが難しいほどでした。

何人か、微博で出会った旗袍愛好家の方を紹介させていただきます。

旗袍が大好き過ぎて、蘇州でお店を始めてしまった恩亮ちゃん(リンク先は微博です)
和服の反物でも旗袍を作っていらっしゃるのですが、すごく可愛くてびっくりしました。

旗袍だけでなく、漢服やその他の装束の熱心な研究者でもある盥薇ちゃん(リンク先は微博です)

漢詩の名手でもある才女!な柳花ちゃん
Instagramのリンクを貼りましたので、
アカウントお持ちの方はぜひフォローしてください。

モデル、服飾研究者、動画クリエイターとして活躍する時ちゃん(リンク先は微博です)
時ちゃんの動画はすごく内容が練られていて、ファンがめちゃめちゃ多いです。
漢服の着こなしもたくさん紹介しています。


中国では昨今「国風」がブームになっていて、
彼女たちのようなレトロファッション愛好家や熱心な服飾研究家は、
たくさんの人から支持されています。

体にフィットしたセクシーなチャイナドレスしか知らなかった私は、
彼女たちが纏う旗袍により、
「チャイナドレス=セクシー」
という先入観を見事に打ち砕かれました。
「私が今まで見ていたチャイナドレスは、一体なんだったんだ…?」
と衝撃を受けていたら、
中国の旗袍愛好家の皆さんが、色々な旗袍の知識を授けてくれました。

私が「セクシーじゃない」と表現した旗袍は「復古式」などと呼ばれていて、
中華民国時代の雰囲気の旗袍なんだよ、とか
中華民国時代は日本では大正時代なので、
理美さんが旗袍を好きになるのは当たり前だね!とか、笑
このお店はカスタムオーダーができるから、襟の高さも指定できるよ、
と教えてもらったり、
革命等の影響で、ヴィンテージの旗袍は中国でもかなり希少だそうで、
「スゴい金額で売っている」
等々。本当に知らない事だらけでした。

そもそも「民国風」と呼ばれるそれらの文化が、
「レトロ可愛い」みたいなジャンルで受け入れられているも、私にはすごく新鮮でした。

2019年に上海に行った際に、中華民国時代の旗袍を見るために、
紡績服飾博物館にも立ち寄りました。
上海には「紡績服飾博物館」が2つあって、友達と落ち合えなくて大変だったのも、
今では良い思い出です。
(でも迷惑を掛けたのですごく反省しています、笑)


それから暫く、日本でも「復古式」の旗袍を買えるお店がないか、
めーーーーーっちゃ検索しまりました。
そして辿り着いたのが、atelier leileiさんでした。
検索ワードも分からないレベルで、どうやって辿り着けたのか、
自分でも不思議です。笑

でも、「いざ!」と思ったとき、leileiさんは休養されていたので、
タオバオ等で既製品の旗袍を買ってみたり、
フリマアプリでヴィンテージの旗袍を買ってみたりしました。

ヴィンテージ旗袍。(Photographer にいはりかな)
既製品の旗袍。(撮ってくれたのは友人のAnji)
こちらも既製品の旗袍。

でも、確かに形はなんとな~く「復古式」なのですが、
ガツンと襟が高い、中華民国時代の旗袍に特に憧れていた私には、
「可愛いけど、物足りない…」と感じる旗袍も多かったです。
中華民国時代のポスターなども探しまくって購入したり、笑
旗袍への憧れは増すばかり。

でも、ついに…!
先日、休養から復活されたleileiさんに、旗袍をオーダーすることができました。

わくわく旗袍オーダー体験記

leileiさんから休養明けのご連絡を受け、
ウキウキしながらの相談が始まりました。
「どんな雰囲気がいいですか?」とleileiさん。
私は以前leileiさんがお召しになっていた旗袍がすーっごく好みだったので、
そのことをお伝えして、生地を見繕っていただきました。

私が大好きなleileiさんの旗袍がこちら。

leileiさんが見繕って下さった候補の布地は3種類でした。
左端の赤い花のあしらわれた生地を一目で気に入り、
これに決定!(即決。笑)

数日後、leileiさんが絵型を送ってくださいました。
超!!!可愛い!!!!



そしてそのまた数日後…
leileiさんから摩訶不思議な採寸表が届きました。

「ネックポイント…!!!?初めて聞いた単語だ…」
と、戸惑いまくりました。笑

「毛糸やシールがあるといいかもしれません」
「ちょっと難しいと思うので、ゆっくりでいいですよ」とleileiさん。
(や、優しい……)
事務用の丸いシールを買ってきて、いざ!

全部自分で採寸したのですが、確かにちょっと難しかったです…!
めちゃくちゃ不安で、3回計測しました。笑
それでも、leileiさんに「明らかに変なところがあったら教えてください」と
お願いするくらい不安でした。笑

それと、横から見たときの首の位置を「前寄り・真ん中・後ろ寄り」
どれかも選びますが、
これは自分で判断ができなかったので、写真を送ってleileiさんに判断していただきました。

私の作業はここまで!
後は、leileiさんのInstagramなどで途中経過を知ることができました。
自分が注文したものがSNSで布から服に変わっていくところが見れるのが、
新鮮で楽しかったです。

初めての旗袍が完成!


そうこうしてお待ちしていたら、
ついに旗袍が完成しました!とのご連絡が。
届いた時はまるでプレゼントを頂いたときみたいに感動しました。
やっと本物の「復古式旗袍」を着ることができるー!!
微博で「セクシーじゃないチャイナドレス」と出会ってから約3年です。


エメラルドグリーンの美しいボタンは、ドイツのヴィンテージ品なんだそうです。
(ちょっと曲がっちゃいました…すみません…)

この襟の形は「双襟」などと呼ばれています。
双襟にもすごく憧れていたので、嬉しい!!
既製品の旗袍の双襟は、大体が装飾がついているだけで、
実際には双襟じゃないんです。
本物の双襟がこんな風になっているのを、
実物を手にとって初めて知りました。
ヴィンテージのボタンには2回ループを掛けて着用します。

袖着けの縫い目や肩にも縫い目がありません。
このような形を「平裁旗袍」とか「連袖旗袍」とか呼ぶのですが、
ダーツがないので、生地の模様が破壊されないのが特徴なんです、とleileiさん。
ちなみに、既製品の旗袍だと、肩に縫い目があるものが多いです。
(多分、生地の節約のためだと思います)

こんなにたくさんのチャイナボタンがあると着るのが難しそう!
って思いませんか?
leileiさんはそんな私の心情を察して(?)
親切な案内書もつけてくださいました。
これ、本当にすごく大事なんですよ…
着られなくはないけど、順番を間違えると手や肩がつりそうになります。笑


あと、これもオーダーの特徴かもしれません。
インナーもセットで作っていただけます。

肩とサイドにぱっちんボタン。
もちろんこれもオーダーしたサイズで作って下さるので、
フィット感が気持ち良いです。
スリットにレースがついてるのが可愛い。
歩くとこのレースがちらちら見えて、すっごく可愛いんです。

この旗袍はリネンで、暖かい時期向けなのですが、
薔薇の時期にこの旗袍で写真を撮っていただきました。

Photographer ゆういち


私は中国のお友達から「襟が高い旗袍は苦しい」と聞いていたのですが、
ぜ~んぜん問題ありませんでした。

中華民国時代の旗袍、とざっくりまとめてしまいましたが、
襟の高さや袖のデザインなども時代によって様々です。
ご興味のある方は是非ぱおつさん・leileiさんのブログへどうぞ。

【telier leileiさんオンラインショップ】
https://atelier-leilei.stores.jp/

【Instagram】
https://www.instagram.com/atelier_leilei/

【Twitter】
https://twitter.com/atelier_leilei


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