文化

大正浪漫譚

【大正浪漫譚】袴の裾からはじまる逆襲

短く着付けた着物の上に袴を履く。今日の着物は、大正時代から昭和初期にかけて女学生たちにも愛された「銘仙」だ。しゅる、しゅる、と衣擦れの音がした。今日は文京区の弥生美術館で開催中の展示を見に行く。タイトルは「はいからモダン袴スタイル」。その名...
大正浪漫譚

【大正浪漫譚】半襟が語る時代の物語

光沢のある生地にほどこされた、精緻な刺繍。わずかな光の角度で色や質感が変わり、糸の陰影が際立つ様子は、いくら見ていても飽きないほどだ。私の手でつやつやと光沢を放つその半襟は、花嫁衣裳用と思しきアンティークの半襟だ。二羽の鶴が向かい合うデザイ...
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【大正浪漫譚】古いアルバムと100年前のまなざし

私は、古いアルバムを手に取った。時の洗礼を受けた深緑色の表紙は、少しひび割れている。その表紙には、手編みとおぼしきレースのリボンや、更紗文様の絹の生地があしらわれている。きっとこのアルバムの持ち主が、手ずから飾り付けたのだろう。女性だろうか...
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【大正浪漫譚・長崎編】和華蘭の島で、拍子木が鳴る

卓袱料理、もりだくさんな喫茶店モーニング、そして今、私の前にあるトルコライス。その一皿は、まるで長崎の文化を食べているかのようだ。「美味しいけど、食べきれるかな…」「その時は俺に任せろ」夫と2人で出島に来た私は、お洒落な緑色の洋館、長崎内外...
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【大正浪漫譚】異国へ渡る絵葉書、大正乙女の絵封筒

「理美、これ届いてたで」夫が絵葉書を私に渡した。『不思議の国のアリス』の絵葉書に、ブルース・リーの切手が貼られていた。香港の友人からの手紙だ。イギリスの文化と故郷を愛する彼女らしいセレクトに、思わず笑みがこぼれる。友人であるKiri Chl...
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【大正浪漫譚】食卓の大正ロマン ー 浅草オペラとコロッケー

久しぶりの浅草は相変わらず人の海で、365日いつでも縁日のようだ。人力車の車夫たちはおひとり様の私にも元気に声を掛けてくるが、その爽やかな笑顔をすり抜け、私は浅草文化観光センターへ向かった。今日のお目当ては、東京メトロ24時間券。東京メトロ...
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【大正浪漫譚】時代を結ぶ甘さ ー 大正時代のクリスマスケーキ

「いやぁ、疲れたぁ」「なんだかんだ歩いたもんな、ま、休憩やな」夫と2人で出かけるとなぜか死ぬほど歩く羽目になる。この週末は三菱一号館美術館でどうしても見たい展覧会があり、夫を誘ってみたものの、なぜか銀座くんだりまで散歩する羽目になった。誘っ...
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【大正浪漫譚】幸福の灯を探して ー 大正時代のクリスマス

「全部おいしい…幸せすぎる…」「ワインもめっちゃ美味い。これ1本買って帰ってもええか?」クリスマスは私たち夫婦の記念日だ。毎年この時期には、贅沢な食事を楽しむ日を設けている。私が今年選んだこの場所、旧小笠原伯爵邸が建てられたのは昭和初期。そ...
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【大正浪漫譚】百貨店が見た夢 ー 杉浦非水と三越百貨店

おや、先日購入した物がポストに届いたようだ。冷え込む雨の休日、二度寝を満喫していたが、いい加減に目を覚まそうかと思ったら、スマホの通知が来ていた。最近の東京は、私にとってすっかりつまらない街になってしまった。円安で訪日観光客が増加傾向なのは...
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【大正浪漫譚・愛知編】幸福は我が心にあり ー 橦木館が語る大正幸福論

「ここにはね、トランプのうちハートだけが無いんですよ。幸福は我が心にあり、が彼の処世訓ですからね。ハートは自分で持ってるってことかもしれません」この可愛らしい洋館に着いたときは、白髪の紳士からこんなキザな言葉を聞く事になるとは全く思っていな...
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