文化

大正浪漫譚

【大正浪漫譚】時代を結ぶ甘さ ー 大正時代のクリスマスケーキ

「いやぁ、疲れたぁ」「なんだかんだ歩いたもんな、ま、休憩やな」夫と2人で出かけるとなぜか死ぬほど歩く羽目になる。この週末は三菱一号館美術館でどうしても見たい展覧会があり、夫を誘ってみたものの、なぜか銀座くんだりまで散歩する羽目になった。誘っ...
大正浪漫譚

【大正浪漫譚】幸福の灯を探して ー 大正時代のクリスマス

「全部おいしい…幸せすぎる…」「ワインもめっちゃ美味い。これ1本買って帰ってもええか?」クリスマスは私たち夫婦の記念日だ。毎年この時期には、贅沢な食事を楽しむ日を設けている。私が今年選んだこの場所、旧小笠原伯爵邸が建てられたのは昭和初期。そ...
大正浪漫譚

【大正浪漫譚】百貨店が見た夢 ー 杉浦非水と三越百貨店

おや、先日購入した物がポストに届いたようだ。冷え込む雨の休日、二度寝を満喫していたが、いい加減に目を覚まそうかと思ったら、スマホの通知が来ていた。 最近の東京は、私にとってすっかりつまらない街になってしまった。円安で訪日観光客が増加傾向なの...
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【大正浪漫譚・愛知編】幸福は我が心にあり ー 橦木館が語る大正幸福論

「ここにはね、トランプのうちハートだけが無いんですよ。幸福は我が心にあり、が彼の処世訓ですからね。ハートは自分で持ってるってことかもしれません」この可愛らしい洋館に着いたときは、白髪の紳士からこんなキザな言葉を聞く事になるとは全く思っていな...
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【大正浪漫譚・愛知編】川上貞奴が紡いだ近代女性の軌跡

「うわぁ、眩し…」私はその色鮮やかなステンドグラスの前で思わずつぶやいた。名古屋市内には個性的で美しい近代建築が点在する、と小耳には挟んでいたが、まさかこんなに個性的なんて。文化のみち二葉館と呼ばれるその場所は、おとぎ話の挿絵に登場しそうな...
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【大正浪漫譚・神戸編】細雪の家と阪神間モダニズム文化

ついに来た。想像していたよりも小さく素朴な雰囲気の木造建築を前に、私は深呼吸をした。その私を、不思議そうに夫が眺めていたが、気にする余裕は無い。早く入って中を見たいが、外観ももっと見たい。逸る気持ちで足がもぞもぞする。木製の門戸のすぐそばに...
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【大正浪漫譚】断髪ヘアを叩いてみれば大正ロマンの音がする

耳のそばでさくさくと軽やかな音がし、自分の黒い髪がはらはらと落ちていくのが視界の端に見えた。「本当にいいんですか?」と何度か聞いたのち、美容師の山田ちゃんは私の髪に鋏を入れた。私の髪質はちょっと難しいらしい。カラーリングもパーマも思うように...
大正浪漫譚

【大正浪漫譚】はいからさんが夢見た自由

かげろうゆらゆら小石川、ハーフブーツに海老茶の袴、頭のリボンもひらひらとこれで決まりの女学生、わたくし花の17才 「お、パソコンで動画見てるなんて珍しいな、なんかあったん?」休日にコーヒーを淹れる事を趣味としている夫が、私の分のカフェオレを...
大正浪漫譚

【大正浪漫譚・銀ブラ編】鬼の如く、恋の如く、地獄の如く

夫と出かけると、大抵いつも鬼の行軍の如く歩く事になる。今日もアンティーク着物で銀ブラ=銀座でブラジルコーヒーを飲み、そのまま帰るつもりだった。しかし、夫が博品館に行きたいと言い始め、私はGINZA SIXに気になっていたコスメブランドの店舗...
ご挨拶&お知らせ

在水一方 紫陽花の季節に想う対岸の友人

こんにちは、宮寺理美です。各種のSNSでは既にお知らせしていますが、この度、私の友人であるキリちゃん、こと黄可児女史の新書、『在水一方 在日本尋探中国歴史』の巻頭紹介文を寄稿いたしました。子供のころから本を読み、いつか本に携わる仕事がしたい...
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